「やがて蜜月は去りぬ 」
川上弘美さんの
「ちょっと、おハナシ、させてクダサイ。あなたハ、愛ヲ、信じますカ」
という、やけに長いタイトル(しかもカタカナ交じりで続点が多い)の短編を読む。
なんとなく作風がいつもと違うような気がした。
そういえば以前どこかのインタビューで、掲載する文芸誌のカラーに合わせて、書き方を変えています。
というようなことを答えていらしたことを思い出した。なるほど。
元区役所勤務で今は小さい女の子の母親でもある几帳面な専業主婦が、いつもゆく八百屋の兄ちゃんを、ひそかにでも心の中では激しく愛する、その心情が切々と綴られている話。
読み終わった後、特にこれといった感動もなく、ふうん、あ、そ。
で終わってしまった。拍子抜け。
このごろ気がついたのだけど、私は以前ほど熱狂的な川上さんのファンではなくなっているようだ。
かつての、あのゆるぎない狂おしいほどの想いはいったいどこにいってしまったのだろう?
川上さんのファンサイトを見たくて見たくて、パソコンまで買ってしまったあの頃の私はいったい?
このへんに一件しかない本屋さんに注文して、二ヶ月も待って、ようやく「神様」を手にすることができた時のあの感激はいったいなんだったのだろう?
ああ、どんなに激しい恋でも、やがて冷めてゆくものなのね。
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